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エアーズロック

ヒッチハイクで旅をしていたときの出来事
ダーウィンから南下、途中東に向かうとクイーンズランドと言う分かれ道にあるテナントクリークに荷物を預け、アリススプリングに到着。そしてエアーズロックまでヒッチハイクで旅を続けた。南に行けばアデレイド西に行けばエアーズロックというハイウェイの分岐でやっと車に乗せてもらったのはもう午後だった。オンボロジープに乗ったおじさんが拾ってくれた。みんな100km位で走っていく中このおじさんはひたすらゆっくり走っていた。こんなにゆっくりだとちょっと遅くなるなぁと不安になりながらもやむえず車に乗っていた。そしてエアーズロックまで後30kmの所で「俺はこっちの道に行く、エアーズロックは向こうだ、後もう少しだけだ。」と車を降ろされた。時間はもう日が暮れそうな時間だった。サンキューと言って車から降りて仕方が無くエアーズロック目指してとぼとぼ歩く。しかし車ではすぐだが歩くと遠い。だんだん日が暮れて辺りは暗くなっていく。そしてとうとう日が落ち、あたりは一層暗くなっていった。月も出てない、星も見えない暗闇、暗黒の世界というやつだ。
道路の白線までよく見えないくらい真っ暗になってしまった。だんだん心細くなっていく。誰も居ない砂漠のまん中、暗黒の世界。怖さをしのぐため大きな声を出して歌った。そうでもしなければ恐怖でいたたまれないぐらいだった。しかししばらくするとその私の声をかき消すかのように突然雨が降ってきた。あの暗黒の世界は雨雲がやってきたため真っ暗になっていたのだ。雨具や着替えなどの荷物はテナントクリークに置いてきてしまった。リュックの中からビニール袋を手探り出だし、首の部分に穴をあけ頭からかぶった。何となく黒い物が目に入った、メートルぐらいの木だった。その下にとりあえず雨をしのごうとしゃがんだ。雨は容赦なく降り体の体温を奪う、着替えもあまり持っていなかった。実は北の方は暑かったので服はあまり要らないと思ったが、こちらの方は南なので気温が大分低くなっているのだ。ようやく雨が上がりまたとぼとぼ歩き出す。何か前方にものすごい威圧感、存在感を感じる。たぶんエアーズロックから出ているこの土地の「気」だろうか?そんなことを考えていたとき、闇夜の中何かが光った。振り返ると遙か遠くに灯りが見えた、車が走ってきたのだ。大きな声を出し大きく手を振り車に合図をする。キーッと車は止まってくれた。丁度ユースホステルに向かうという。私もそこに泊まる予定だった。
約2時間暗闇の恐怖との戦いは終わった。車の運転手もこいつこんな時間こんな所で何をやっているのだろうと不思議に思っただろうなぁ。
ユースで話を聞いた。さっきの雨はこのシーズン初めての雨だったそうだ。

エアーズロックはヒッチハイクなどと人の好意に甘え、また自然の驚異という物を軽く見ていた私にイタズラでもしたのだろうか?オーストラリアの大自然の中でとてもとてもちっぽけな自分。やはり自然を敬わなければいけないのだろうな。
エアーズロックはオーストラリアの原住民アボリジニーの聖地なのだ。



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ハノマン@沈没旅行者