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イッテしまった人

インドの行く前にいろんな人からインドの話を聞かされてましたが、まさかこんな人がいるとは!それも初めてのインドで会ってしまったのです。
バンコクから飛んできた私はパラゴンホテルに泊まりました。インド初めての人がカルカッタで経験するようにニューマーケットで両替をし、チャイ屋でチャイを飲み、乞食にバクシーシをねだられ、ハッシシ、ジキジキと声をかけられ、そして笛屋から笛を買い、ドミトリーでボンボンをして、旅の話を夜遅くまでして。そして彼にあったのです。

1日目
パラゴンの2階でみんなでピーヒャラピーヒャラ笛を吹いていたときでした。彼は向こうの方から私たちを見ていたと思ったら突然手をパンパンとたたいたのです。みんな振り向くと彼は「いや雀に言ったんだ」といって去っていきました。変な人だと思ったけど気にせず笛を吹いていました。

2日目
それは明け方に起きました。その彼が夜中一晩中どこかに行ってたらしく朝5時頃パラゴンに帰ってきました。もちろん入り口は鍵がかかって開きません。彼はその入り口をどんどん激しくたたき、開けろー開けろーと騒ぎます。その音はホテル中に響き渡りました。。マネージャーが「おまえは騒ぐから入れない」といったら、静かにするから入れてくれーといったそうです。

その夕方、またみんなでパラゴンの2階で笛を吹いてたときです。向こうから彼がワイシャツにひものネクタイをして走ってやってくるのです。「さあみんなこれから僕のコンサートが始まるよ、すぐ行こう!」そういう彼の下半身は裸。パンツもはいてないのです。みんなあっけにとられてみていると、「私はベートーベンの友達だ。、僕は君の守護霊を知ってるのだぞ、うんやる気かこうみえても空手は黒帯だ。」友達がなんだ!という素振りを見せると「本当にやるきかそれなら僕は逃げるぞ、僕は県大会で2位だったんだぞ・・・・・」などと訳の分からないことを行ってそのうちどこかえ行ってしまった。県大会で2位というのが控えめでかわいかった。

3日目
パラゴンにインド人があわててやってきて何か騒いでます。話を聞くと日本人がインド人と喧嘩をして、血を流している!ということだ。すぐピーンときた。みんなで駆けつけると彼が道路の脇で頭から血を流してわめいてる。彼に事情を聞くと英語で答える。こちらが日本語で聞いているのに。こちらが聞いた返事をきちんと英語で答えるのである。とりあえず、宿に連れて帰り手当をする。
その夕方、パラゴンの向かいのモダンロッジに泊まってるアメリカ人がパラゴンに来て何か訴える。彼がモダンロッジに来て暴れていったらしい。俺にけがをさせたのはどいつだ出てこいと机をひっくり返していったとのことである。

4日目
パラゴンの部屋の前をスーツ姿の若い日本人が横切った。思わず「えっ!」誰?なんて場違いな!と思ったら彼はカルカッタの日本領事館の職員だった。どうも昨日のアメリカ人が領事官に連絡をして、彼が様子を見に来たらしい。

5日目
今日は領事館から昨日の彼ともう一人、年輩の領事と思わしき日本人が訪ねてきた。彼の報告を受けついに動いたみたいだ。その年輩の人が我々を見つけて彼のことを聞いてくる。「彼はどんな具合なのですか?」私たちは今まであったことをすべて話した。領事は「解りました。」とうなずきました。は思わず「彼をどうなるのですか?」と領事に聞いた。「パスポートで確認して日本の家族に連絡して迎えに来てもらう。それまではこういうことがよくあるのでいつも世話になってる病院に連れていきます。」領事はそう答えた。

領事館とホテルの手配で裏からこっそりと彼を連れていったみたいだ。彼はもうみんなの前に現れることはなかった。私はちょっと安心したけど彼がかわいそうにも思えてきた。

領事が言った、「よくこういうこと有るので・・・」という言葉が私の耳に残った。
「やっぱりインドってすごいんだなあ、いろんな人がいるんだなあ。」初めてのインド、それもインドに到着してすぐの私にはこの事件はショックだった。しかしその後のインド、ネパール5ヶ月の旅でそんな人は他には居なかった。
ちょっと安心した。
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はのまん@沈没旅行者